
社会
品質/安全·衛生への取り組み
路面凍結抑制に向けた新たな舗装材「フリーズオフコート」による安全性向上
路面凍結対策は人々の冬の暮らしに欠かせないものであり、働き手不足が叫ばれる中、凍結防止剤散布のみに頼らない冬期路面管理手法が求められています。当社は、冬期路面の安全性を舗装面からサポートするべく、舗装の打ち換えが不要な表面処理工法、かつ小型機械で仕上げることができる「フリーズオフコート」を開発しました。本製品は、ガードレールなどの道路附属物への影響を考慮して金属腐食性の低い材料を使用していることも特徴としています。2023年度には宮城県利府町と福島県郡山市の実道で実証実験を行い、凍結抑制効果と供用性を確認、2024年度より新工法として販売を開始しています。当社では今後も継続的な技術開発を行い、舗装の安全性と品質の向上に努めていきます。

労働災害防止への取り組み
「ルールを絶対に守り抜き労働災害・交通事故を撲滅する」という安全の指針のもと、下記の重点実施事項を着実に実施していきます。
2024年度の重点実施事項
①「安全5点セット※」の充実
支店および本店パトロールで内容を精査して指導していく
※(作業手順書・作業安全指示書・危険予知活動表・重機作業計画書・始業前点検表)
②4月中に熱中症対策を確立
現場に出る前に体調をチェックし、熱中症対策チェックシートで作業可否を決定、空調服に加え、水冷服の普及、深部体温を下げるドリンク等を用意
③安全衛生教育の充実
支店安全環境品質部課長のトレーナー資格取得推進、階層別の安全衛生教育実施
安全教育・研修
新入社員研修や各階層の集合研修で、安全管理についての研修を実施しています。また、協力会社向けの新規入場者教育は、より理解しやすい内容とするべく従来の教材を見直し、グループ会社である前田建設工業株式会社の協力のもと、YouTubeを活用した教育を開始しました。
ワークライフバランス
働きやすさの向上
従業員が安心して仕事と家庭を両立できるよう、「出産時休暇」「育児休業」「介護休業」「子の看護等休暇」などの制度を整備しています。2023年4月には、多様化する働き方に応じた評価制度・報酬制度の見直しを行いました。2024年4月より建設業へ適用が開始された労働時間の上限規制については、やむを得ず休日出勤する場合は振替休日取得を必須とする完全週休二日の取組みや、有休付与日設定による計画的な有休取得を通じて、年間休日取得日数 の増加を図っています。2025年4月からは、かけがえのない家族の特定の事由により仕事との両立に悩む社員が少しでも安心して働けるよう「家族支援手当」による経済的支援も行っています。
主なワークライフバランスのための諸制度
妊娠中の通院休暇 | 1日単位または半日単位で取得可能(5日間までは有給) |
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出産時休暇 | 配偶者の出産の際、予定日の2日前から産後最高20日間まで休暇取得可能(有給) |
出生時育児休業(産後パパ育休) | ●子の出生後8週間以内に合計4週間(28日間)まで取得可能 ●2回まで分割取得可能 |
育児休業 | 子が1歳を迎えるまで取得可能(育児の事情等により、子が2歳に達するまで延長可能) |
子の看護等休暇 | 年間10日間まで1日単位または1時間単位で取得可能(子が小学校4年生の始期に達するまで) |
育児短時間勤務 | 所定労働時間を午前9時から午後4時(休憩1時間)までの6時間とする(子が小学校4年生の始期に達するまで) |
多子扶養手当 | 扶養する第2子以降の子どもが出生又は当該第3子に達する年度末まで、第2子は毎月5万円、第3子以降は毎月2万円を支給 |
介護休業 | 対象家族1人につき通算93日まで、6回に分割して取得可能 |
介護休暇 | 家族の人数に関わらず、年間15日まで1日単位または1時間単位で取得可能 |
奨学金返還支援制度 | 奨学金返還義務のある総合職を対象に、年間16万円支給(最長20年間支給可能、最大320万円支給) |
家族支援手当 | ●不妊治療費:300,000円/年(1家族) ●養育に特化のある子ども支援:10,000円/月(1人) |
企業専用マッチングアプリ | キャリアとライフを重視でき、社名を伏せる企業のみ利用できる独身者向けマッチングアプリ「All goen」に参加 |

主な育児関連制度

健康経営
個人の健康意識の増進と安心して働ける職場環境構築に向け、35歳以上の社員を対象とする人間ドック検査(肺CT・脳ドック検査オプション含む)や、PET検査費用の一部負担を行っています。定期健診・人間ドック検査ともに再検査が必要と判定された社員には、100%再検査を受診していただきます(費用は会社負担)。
社員の健康に関する主な制度
インフルエンザ補助金支給 | 年1回、予防接種費用を会社が負担 |
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PET検查補助金支給(35歳以上) | PET検査を受けた際、費用の一部を会社で負担 |
人間ドック検査(肺CT検査·脳ドック検査) (35歳以上) |
従来の定期健康診断に加えて、人間ドック検査を実施 |
定期健診・人間ドック検査時における再検査費用補助 | 定期健診・人間ドック検査における再検査費用を会社が負担 |
保健師面談 | 希望する社員にプライバシー管理に対応したリモート面談を実施 (再検査推奨·健康増進·メンタルセルフケア·禁煙指導等) |
ストレスチェックの実施 | 全社でストレスチェックを実施。高ストレス判定の該当者には、希望に応じ産業医との面談の場を設けている |
共済会制度 | 相互扶助の精神に基づき、会員とその家族の福利増進および福祉向上を目的として、傷病関係給付·休職補償金給付·遺児育英年金給付·災害見舞金給付·廃疾見舞金給付などの事業を行っている |
多様な人材の活躍推進
女性総合職の推移
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
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人数 | 19人 | 21人 | 29人 | 46人 | 57人 |
比率 | 1.12% | 1.22% | 1.56% | 2.32% | 2.97% |
女性の活躍推進
働き方やキャリアの多様性が求められる中、当社は女性総合職の採用(新卒・中途)および総合職への転換を積極的に行うとともに、女性管理職の登用も推進しています。「管理職比率」と「多様なキャリアコース」で「えるぼし」の認定基準を満たし、2023年3月に「えるぼし認定1段階目」を、2024年1月には「えるぼし認定2段階目」を取得しました。
障がい者の活躍推進
障がい者雇用では2021年から在宅勤務を可能とした働き方を設けており、これまでに17名を採用しました。2024年度の障がい者雇用率は、法定2.5%に対し2.68%です。2024年より法定雇用率の段階的引き上げが始まり、2027年には2.7%になることを受け、今後も計画的な採用活動を行うとともに、働きやすい労働環境の提供に努めていきます。
雇用形態の転換
ライフステージに応じて故郷や慣れ親しんだ環境で勤務できる「地域限定総合職」制度を導入しています。この制度では、総合職との間で柔軟に行き来できる仕組みを整備し、社員の多様な働き方を支援しています。
また、一定のレベルに達した一般職の社員が総合職へ転換できる制度も積極的に推進しており、これにより社員のキャリアアップやモチベーション向上を図っています。
定年延長・再雇用制度
高年齢者雇用安定法改定による2025年4月からの定年年齢65歳義務化に先駆け、当社では2022年4月より、定年延長制度を導入しました。定年を60歳から65歳へと引き上げるとともに、制度導入前に60歳定年を迎えて嘱託として雇用延長していた方には、専任職という役割等級にて活躍していただいています。
また、定年再雇用制度も65歳から最長5年の延長を可能としました。本制度は、長年培った知識や経験、技術などの継承や、シニア層社員のモチベーションの維持・向上に寄与するものと考えています。

インターンシップの受け入れ
2024年度は対面形式インターンシップを8月、9月、1月、2月に実施して131名、Web形式インターンシップは85名の学生に参加いただきました。内容は道路会社の基礎知識、前田道路の技術、自己分析を軸にインターンシップを実施しました。対面形式では基礎知識を学んだ後に、人力舗装実習を中心に、品質試験、現場管理を希望職種別に実体験し、最後にお互いの結果を報告しあう流れを取りました。共に作業をするだけでなく、いくつもの作業が最後に一つの成果物へと結びつくことで学生は達成感を得られました。先輩社員を交えた懇親会や実習を通じた社員との交流によって前田道路に興味をもってもらえたと実感しています。今後も魅力あるインターンシップを目指して創意工夫に努めます。
人材育成
人事部では「人材育成」に重きを置いた「階層別研修」(5段階)を主管していますが、研修ごとにアンケートを実施し、反省点・改善点の意見を集約して、研修制度や生活環境などの改善も含む大きな意味において「人材育成」についてブラッシュアップを図っています。
2024年度の「階層別研修」では、高評価であった外部講師の研修に多くの時間を割り当て、3泊4日を基本として研修を実施し、延べ433名が受講することができました。(計画409名、前年319名)
事業部門が主管の「部門研修」では前年同様に有効性を判断し「集合形式」と「WEB形式」に振り分けて実施したことで、より効果的に実務のスキルアップを図ることができました。今後に向けて「人財育成」のシステムを構築するため、研修体系の見直しを含めて更に大きなブラッシュアップを行ってまいります。

地域社会への貢献
地域インフラ管理への貢献(PPP・PFI)
少子高齢化や労働人口の減少、建設業の残業時間上限規制などを背景に、インフラの維持管理において、行政側では技術系職員の不足、受託者側では担い手不足などが顕著になっています。これらの課題解決に向けて期待されているのが、道路整備や清掃等の業務を包括して請け負う「道路等包括管理事業」です。当社では、道路管理システムの導入やデータ活用により、「事後保全型管理」とは異なる「予防保全型管理」を展開しています。今後もビッグデータやAI活用による省人化を推進し、地域インフラの維持管理に貢献していきます。

自然災害への対応
自然災害による交通インフラの被災は、人々の暮らしに大きな影響を及ぼします。当社では迅速な復旧作業に対応すべく、全支店で災害復旧体制を構築しています。地震や大雨、大雪により道路等のライフラインに支障が出た際には、国土交通省やNEXCO、各自治体からの要請を受けて速やかに復旧作業を開始、早期の交通確保に尽力しています。“当たり前”を守る会社、そして地域の方々から「頼られる会社」として、今後も迅速な災害対応に努めていきます。